2020.03.02[月] シャニマスのイベントシナリオの隙のなさを象徴している「薄桃色にこんがらがって」

本日はシャニマスの話題です。
現在、開催中のイベント。
「薄桃色にこんがらがって」
非常に想うことの多かったシナリオですので、あれこれ書いていきたいと思います。
ネタバレが含みますので、この先は続きに隠します。
バレOKな方のみ、このまま読み進めてください。
※ここから先は「薄桃色にこんがらがって」のネタバレを含みます。
コミュを未読の方は、絶対に読まないでください。

双子の大崎姉妹と、283プロ最年長の千雪さん、3人のユニット。
それが「アルストロメリア」
仲の良い3人で、まるで家族のよう。
三姉妹と言われても納得してしまいます。
では、この仲良し3人がアイドルを続けていくうえで、壁にぶつかるとしたらどんな時か?
このテーマの描き方が、シャニマスはほんとうまい。
ごく普通の作品なら、多くのシナリオライターは、例えばこんな物語を描くのではないでしょうか。
大崎姉妹が喧嘩してしまい、その間を千雪が取り持つ話。
多分、双子と最年長コンビなら、このシナリオが一番無難だし一番作りやすい。
別に間違いではないです。
けど、シャニマスは一味も二味も違う。
本当に質の高いシナリオを仕上げてきます。
昨今のアプリゲームが3Dモデリングを頑張る中、2Dイラストとテキストで勝負しているシャニマスです。
今回の「薄桃色にこんがらがって」は、まさにテキストの強さをまざまざと見せつけられました。

そんなにデキがいいのなら、読んでみせてよ。
と、思う方もいるかもですが、それはオススメしません。
一番最初のアルストロメリアのコミュである幸福論。
ここから始まって、約2年間をかけて描いてきた「今」だからこそ響くし、「今」だから描けた物語でもあると思うからです。
なのでこのシナリオ単体だと弱いです。
これまでのアルストロメリアを見てきたから、めちゃくちゃ心に突き刺さったわけなんです。

とはいえ、まさか幸せの象徴のようなアルストロメリアに、ここまで重いシナリオをぶつけてくるなんて思わなかったです。
この「第5話こわい」とか、本当に怖くて小休止おいてから読みましたし。
読み終わるのにほんと時間がかかりました。
けど、ただ意外性をもたせるためにシリアスにしたわけではないです。
それが今回のシナリオのうまいところ。
アルストロメリアじゃなきゃ描けないストーリー。
まずそこが大前提としてあるし、いっさいブレてないから素晴らしいんです。

「ファン感謝祭」で見せた、甘奈の弱さ。
アルストロメリアが大好きで、甜花も千雪も大好きな甘奈は「変化」を恐れる。
そんな甘奈のために、テーマを変えることで彼女の気持ちに寄り添った。
決して置いていかない。
3人はずっと一緒。
手を取り合って未来に向かう。
そんな甘奈にとって、今回の「薄桃色にこんがらがって」は逃げられない壁でした。
ファン感謝祭は、言葉を選ばなければ甘奈は逃げたんです。
けど、今回は立ち向かわなければならない。
何故なら、相手は千雪だから。

今回のシナリオ。
甘奈は中心にはいましたが、メインとなったのは千雪。
彼女の物語でした。
最年長である千雪は、どこか見守る立ち位置にいることが多かったです。
止まれば手を差し伸べ、歩けば隣で手を握り、前に進めばそっと背中を押す。
そんな「大人」な女性。
だからこそ、千雪を立ち止まらせたのは本当に見事。
自分でも気付いていなかった感情、夢、プライド。
そのことに驚き、自分はなんて子供なんだと自己嫌悪におちいる。

プロデューサーにも相談できず、はづきさんに泣きつく姿。
そんな千雪が葛藤の末に、前に進み出す。
甘奈との勝負
今回のシナリオってシリアスなんですが、まったくギスギスしてないのも素晴らしいところ。
一度も声を荒げるシーンはなかったですからね。
お互いが大好き。
大好きな気持ちを変えないまま、対立させた。
そのうえで、出来レースにすることで千雪も守る。
完璧なシナリオでした。

ファン感謝祭で口にした「夢は未来にあるもの」
たくさんの夢が叶って、今が未来なんだと感じた千雪。
そこに、やってきたアプリコットという「夢」
始めて自分の夢に気付いたのかもしれません。
そんな千雪は、最終的に選びます。
「夢」と「アルストロメリア」を天秤にかけた時、彼女は「夢」を選択。
一方で、甘奈は
「未来」と「アルストロメリア」を天秤にかけて、「アルストロメリア」を選びます。
オーディションを辞退したい、と。
変化を怖がる甘奈らしい選択。
絶対に後悔すると分かっても彼女は、アルストロメリアを選ぶ。
それだとファン感謝祭と同じ。
だから、今回は逃げられない土台を作ってきた。
今回のシナリオが本当に強いと感じたのは、この設定の隙のなさです。
勝敗は分かっている、そのうえでどうするか選んでほしい。
誰も傷つかないし、傷付けさせない。
大事なものを守るためには、どうするか。
勝負するしかない。
甘奈が本気で千雪を手放したくないなら戦えばいい。
大好きなら、彼女の夢を背負ってみせろ。
出来レースだとしても、その手で。

そんなふたりを見守ってた甜花が、オーディション観覧を放棄してまで先生をつれてきたのも完璧。
甘奈のことは大好き。
だから本気で戦ってほしい。
千雪さんも大好き。
だから、甘奈が本当に千雪よりも上なのか納得させたい。
大事なものを守ろうとしたのは、甜花も同じ。
彼女もまた戦ったのです。
アルストロメリアが解散するリスクだってあったハズなのに。

そして、結末。
今回のシナリオはイベントビジュアルが先に公開されてたので、エンディングは予想できてました。
甜花に肩をあずけて涙をうかべる千雪。
これを最初に見たから。
けど、大事なのはそこじゃない。
逃げずに戦った甘奈が、出した「答え」
それが知りたかったんです。
だから、このセリフを聞いた時に、すとんと腑に落ちました。

「いい時だけ一緒なんじゃなくて……
そうじゃない時も一緒なんだってこと」
100点満点の答えでした。
この先、また辛い選択が壁となる時が来る。
そうなっても、わたしたちは「一緒」
3人の声が重なれば最強
「今」を誰よりも大事にしてた甘奈が前に進んだ瞬間です。
一番大切なものは変わらないから。
だからこの先も大丈夫。
とても大きな試練でもあり、大切なオーディションを乗り切った3人。
彼女たちが描く未来への憧れ。
これからも楽しみにしたいと思いますし、このシナリオを世に送り出したシャニマススタッフに、心から敬意を表したいです。
最高でした。
ありがとうございます。

ただ、ちょっと気になったのは、このやたらリアルな地面。
それと、「ピーヒョロロ〜」というトンビの鳴き声。
半周回ってギャグかと思ったので、アオーンという野犬の声とトンビはそろそろ別パターンを作った方がよろしいかとw
よろしくお願いします。

というわけで、今日のブログでは「薄桃色にこんがらがって」について長々と書かせていただきました。
シャニマスのシナリオが強いのは、本当に自慢ですし誇りです。
ゲーム的に万人にオススメできないのが残念ではありますが、ひとりでも多くの方にシャニマスの良さが伝われば幸いです。
成長していく283プロ。
共に盛り上げていきましょう。
それでは。
コミュを未読の方は、絶対に読まないでください。

双子の大崎姉妹と、283プロ最年長の千雪さん、3人のユニット。
それが「アルストロメリア」
仲の良い3人で、まるで家族のよう。
三姉妹と言われても納得してしまいます。
では、この仲良し3人がアイドルを続けていくうえで、壁にぶつかるとしたらどんな時か?
このテーマの描き方が、シャニマスはほんとうまい。
ごく普通の作品なら、多くのシナリオライターは、例えばこんな物語を描くのではないでしょうか。
大崎姉妹が喧嘩してしまい、その間を千雪が取り持つ話。
多分、双子と最年長コンビなら、このシナリオが一番無難だし一番作りやすい。
別に間違いではないです。
けど、シャニマスは一味も二味も違う。
本当に質の高いシナリオを仕上げてきます。
昨今のアプリゲームが3Dモデリングを頑張る中、2Dイラストとテキストで勝負しているシャニマスです。
今回の「薄桃色にこんがらがって」は、まさにテキストの強さをまざまざと見せつけられました。

そんなにデキがいいのなら、読んでみせてよ。
と、思う方もいるかもですが、それはオススメしません。
一番最初のアルストロメリアのコミュである幸福論。
ここから始まって、約2年間をかけて描いてきた「今」だからこそ響くし、「今」だから描けた物語でもあると思うからです。
なのでこのシナリオ単体だと弱いです。
これまでのアルストロメリアを見てきたから、めちゃくちゃ心に突き刺さったわけなんです。

とはいえ、まさか幸せの象徴のようなアルストロメリアに、ここまで重いシナリオをぶつけてくるなんて思わなかったです。
この「第5話こわい」とか、本当に怖くて小休止おいてから読みましたし。
読み終わるのにほんと時間がかかりました。
けど、ただ意外性をもたせるためにシリアスにしたわけではないです。
それが今回のシナリオのうまいところ。
アルストロメリアじゃなきゃ描けないストーリー。
まずそこが大前提としてあるし、いっさいブレてないから素晴らしいんです。

「ファン感謝祭」で見せた、甘奈の弱さ。
アルストロメリアが大好きで、甜花も千雪も大好きな甘奈は「変化」を恐れる。
そんな甘奈のために、テーマを変えることで彼女の気持ちに寄り添った。
決して置いていかない。
3人はずっと一緒。
手を取り合って未来に向かう。
そんな甘奈にとって、今回の「薄桃色にこんがらがって」は逃げられない壁でした。
ファン感謝祭は、言葉を選ばなければ甘奈は逃げたんです。
けど、今回は立ち向かわなければならない。
何故なら、相手は千雪だから。

今回のシナリオ。
甘奈は中心にはいましたが、メインとなったのは千雪。
彼女の物語でした。
最年長である千雪は、どこか見守る立ち位置にいることが多かったです。
止まれば手を差し伸べ、歩けば隣で手を握り、前に進めばそっと背中を押す。
そんな「大人」な女性。
だからこそ、千雪を立ち止まらせたのは本当に見事。
自分でも気付いていなかった感情、夢、プライド。
そのことに驚き、自分はなんて子供なんだと自己嫌悪におちいる。

プロデューサーにも相談できず、はづきさんに泣きつく姿。
そんな千雪が葛藤の末に、前に進み出す。
甘奈との勝負
今回のシナリオってシリアスなんですが、まったくギスギスしてないのも素晴らしいところ。
一度も声を荒げるシーンはなかったですからね。
お互いが大好き。
大好きな気持ちを変えないまま、対立させた。
そのうえで、出来レースにすることで千雪も守る。
完璧なシナリオでした。

ファン感謝祭で口にした「夢は未来にあるもの」
たくさんの夢が叶って、今が未来なんだと感じた千雪。
そこに、やってきたアプリコットという「夢」
始めて自分の夢に気付いたのかもしれません。
そんな千雪は、最終的に選びます。
「夢」と「アルストロメリア」を天秤にかけた時、彼女は「夢」を選択。
一方で、甘奈は
「未来」と「アルストロメリア」を天秤にかけて、「アルストロメリア」を選びます。
オーディションを辞退したい、と。
変化を怖がる甘奈らしい選択。
絶対に後悔すると分かっても彼女は、アルストロメリアを選ぶ。
それだとファン感謝祭と同じ。
だから、今回は逃げられない土台を作ってきた。
今回のシナリオが本当に強いと感じたのは、この設定の隙のなさです。
勝敗は分かっている、そのうえでどうするか選んでほしい。
誰も傷つかないし、傷付けさせない。
大事なものを守るためには、どうするか。
勝負するしかない。
甘奈が本気で千雪を手放したくないなら戦えばいい。
大好きなら、彼女の夢を背負ってみせろ。
出来レースだとしても、その手で。

そんなふたりを見守ってた甜花が、オーディション観覧を放棄してまで先生をつれてきたのも完璧。
甘奈のことは大好き。
だから本気で戦ってほしい。
千雪さんも大好き。
だから、甘奈が本当に千雪よりも上なのか納得させたい。
大事なものを守ろうとしたのは、甜花も同じ。
彼女もまた戦ったのです。
アルストロメリアが解散するリスクだってあったハズなのに。

そして、結末。
今回のシナリオはイベントビジュアルが先に公開されてたので、エンディングは予想できてました。
甜花に肩をあずけて涙をうかべる千雪。
これを最初に見たから。
けど、大事なのはそこじゃない。
逃げずに戦った甘奈が、出した「答え」
それが知りたかったんです。
だから、このセリフを聞いた時に、すとんと腑に落ちました。

「いい時だけ一緒なんじゃなくて……
そうじゃない時も一緒なんだってこと」
100点満点の答えでした。
この先、また辛い選択が壁となる時が来る。
そうなっても、わたしたちは「一緒」
3人の声が重なれば最強
「今」を誰よりも大事にしてた甘奈が前に進んだ瞬間です。
一番大切なものは変わらないから。
だからこの先も大丈夫。
とても大きな試練でもあり、大切なオーディションを乗り切った3人。
彼女たちが描く未来への憧れ。
これからも楽しみにしたいと思いますし、このシナリオを世に送り出したシャニマススタッフに、心から敬意を表したいです。
最高でした。
ありがとうございます。

ただ、ちょっと気になったのは、このやたらリアルな地面。
それと、「ピーヒョロロ〜」というトンビの鳴き声。
半周回ってギャグかと思ったので、アオーンという野犬の声とトンビはそろそろ別パターンを作った方がよろしいかとw
よろしくお願いします。

というわけで、今日のブログでは「薄桃色にこんがらがって」について長々と書かせていただきました。
シャニマスのシナリオが強いのは、本当に自慢ですし誇りです。
ゲーム的に万人にオススメできないのが残念ではありますが、ひとりでも多くの方にシャニマスの良さが伝われば幸いです。
成長していく283プロ。
共に盛り上げていきましょう。
それでは。
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