2011.06.02[木] ファントムブレイカーから、格闘ゲームというものを考えてみる

5pb.より発売になった格闘ゲーム「ファントムブレイカー」。
こちらを購入~。

初回限定版を買ったので、いろいろついてきました。
オーラだけはあるな。
「あれ?このゲーム、買わないんじゃなかったの?」
なんて突っ込まれそうですけど、その通りですね。
以前、体験版をプレイした時は、「僕は買いません」と心に誓ってました。
けど、どうして購入にいたったのか?
「なんだツンデレか」
いや、違うわ!
ちゃんとした理由が、ふたつあるんです。
ひとつは、発売が延期したから。
この延期によって、ゲーム自体を再調整してくれるのではないか、という期待がありました。
もうひとつは、この作品を生み出した「意図」を知りたくなったから。
これについては、後で説明いたします。

とりあえず、ゲームを理解するためにも、軽くストーリーモードを始めてみますか。

って、いきなり実績解除!?
しかも、この実績って、全ての実績を解除した時に出るものらしい。
開幕からフィナーレとは、斬新すぎんだろ!
何があった!?
と、思ったら、体験版のセーブデーターがあった場合も、実績解除になるそうな。
あ、それだけかい。

気を取り直して、主人公っぽい美琴でストーリー開始。
って、ストーリーモードなのに、立ち絵がこの1枚だけ!?
顔の表情差分すら無いとは…。
おいおい、家庭用オリジナル作品なんだから、ストーリーモードは手を抜いちゃダメだろ。

謎の実績も解除しつつ、地道にCPU戦もこなして…。

一応、クリアー。
うーん、ストーリーは解りやすかったけど、ひと画面に1キャラしか表示しないので、キャラ表示→一言しゃべる→別のキャラに切り替え→一言しゃべる~の繰り返し。
テンポが悪いうえに、立ち絵も一枚だけ。
これは飽きる…。
さすがに、後半はセレクトボタンでスキップしてましたよ。
なんだかなー。
肝心の格ゲー部分も、体験版からたいして変化がなかったし。
延期したから、ちょっとは手を加えてくれてると期待したのですが、現実はあまくなかったです…。

一応、体験版と比べるとキャラに残像が入ったり、背景が少し変わったりと、演出面は強化されてました。

超必も、残像とヒットエフェクトが増えてましたね。
けど、まぁ…。
やっぱり「弱い」です。

せっかくのドット絵も、コマ数が少なすぎてカクカクです。
↑このように、剣を振り上げた1フレ後に、もう振り下ろしてます。
身体にも力が入ってなくて、重さが伝わってこないです。

なんだろなー。
どの技も手足を振り回してるだけで、”戦っている”モーションに見えないんですよね。
ドット絵でキャラを動かす楽しさが、まったくできてなくて、がっかりです。
じゃあ、逆に「ドットでキャラが動かせているゲームって何よ?」というと、僕はこの作品をあげますね。

メルティブラッドです。
この作品は、ドット絵でキャラを動かす意味を、しっかりと伝えてくれます。
ロングスカートをはいてる関係で、足の動きを見せ辛い。
なら、どういうドットをうてば、プレイヤーに足技だと瞬間的に理解してもらえるか。
身体をどう動かせば、痛そうに見えるか。
どうすれば滑らかに見せられるか。
歩くモーションひとつとっても、しっかりと考えられてます。

技のつけ方も、感心します。
例えば↑こちらの技。
足をひっかけて転倒させてますね。
この技と、仕草だけで、このキャラの「性格」も見えてくるのです。
月姫という元ネタを知らなくても、「このキャラはしたたかで、腹黒そうだな」といった、内面的な部分まで自然と伝わります。
格ゲーにおいて、「技」はただ相手を攻撃するための手段じゃないんです。
キャラの「表情」なんです。
これが、ファントムブレイカーには足りてない。
せっかくキャラ設定が、しっかり格ゲー部分にフィードバックされてなくて、チグハグな部分が出てしまってます。

超必も残念でしたね。
面白い技もあるんですが、全体的に華が無かったです。
先ほど、「技はキャラの表情」という話をしました。
では、格ゲーキャラにとって「必殺技」とは何か?
それは、「命」ですよ。




格ゲーキャラを思い浮かべる時、一緒に必殺技も連想しませんか?
このキャラといえば、この技!
そう。
必殺技とは、キャラの象徴。
キャラそのものといってもいいです。
だから、「命」です。

そういった意味でも、ファントムブレインカーは、力不足でしたね。
”仏作って魂入れず”
どの必殺技も、通常技の延長線ばかり。
開発者の実力不足を、まざまざと見せてつけてしまった。
残念ながら、そういう作品だと感じました。
とまぁ、随分と酷評してくれてますけど、「じゃあ、どうして買ったんだ?」という話ですよね。
冒頭にも書いた、購入理由のふたつ目。
そうです。
この作品をどうして作る必要があったのか。
僕は、それが知りたかったのです。
購入すれば、そのあたりが理解できると思いましたが、まだ見えてきません。
格ゲーは、とっても作るのが難しいジャンルです。
そこに、今まで実績のない5pb.が挑んだ。
その意図は何か?
今は、格ゲーブームの再来ともいわれてますが、だからといって出せば売れるものでもないです。
みんな目が肥えてますからね。
そんな中、ボタンひとつで必殺技が出せる、ライトユーザーに特化した格ゲーを出してみた。
その需要はあるでしょうし、考えは理解します。
けど、どうして今なのか。
どれだけの利益を見越しての、開発だったのか。
どうも、作り手の想いというのが、見えてこないです。
そんな中、ひとつの仮説を思いつきました。
この作品は、売上や仕上がりは、もしかしたら二の次なのではないか、と。
では、何のために?
そこで、思い出したのが、現在、5pb.が開発をすすめている「ロボティクス・ノーツ」です。

カオスヘッド→シュタインズゲートに続く、科学アドベンチャー第三弾。
5pb.も、総力を結集して製作にあたっていることでしょう。
この作品。
主人公が「格闘ゲームオタク」という設定なのです。
この設定を見た時、ピンときました。
もしかしたら…。
この「格ゲーオタク」という設定をしっかり活かすために、自社ブランドの格ゲーを作る必要があったのではないか。
そう考えると、不思議としっくりきます。
作品内で、架空の格ゲーを出しても伝わりにくいですし、実名の格ゲーを文字って出しても、いろいろ大人の事情がからみます。
なら、自分たちでオリジナルの格ゲーを作ってしまおう。
もちろん、こんなのは僕の勝手な妄想ですけど、そういう方向性で考えれば、ファントムブレイカーの価値というものが伝わってくるのです。
はたして真相は…。
とまぁ、最後はよく解らない文章になってしまいましたが、これが僕のファントムブレイカーに対する感想ですね。
酷評もしましたが、いろいろ、もったいない作品ではありますので、もし、シリーズ化など考えてるなら、次は「地に足がついた」キャラ作りを目指してほしいです。
というわけで、今日のブログでは久しぶりに格ゲーを取り上げてみました。
一応、「キャノン」は、格ゲーサークルですからね。
忘れられてるかもしれませんが(汗
あ、あと、ファントムブレイカーに関しては、せっかく購入したことですし、もう少しプレイはしてみるつもりです。
コンボ動画も作りたいな~と、希望だけはありますので、面白いパーツなどがあるようでしたら、がんばってみたいと思います。
もちろん、予定は未定ですけど…やるだけやってみます。
やっぱり、僕は格闘ゲームが大好きですからね。
何かできそうなら、またブログの方で紹介したいと思います。
それでは。
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